空気ブレーキと電気ブレーキを協調させる方法(電空協調制御)の一つに、締切電磁弁制御があります。
締切電磁弁制御は、電磁直通ブレーキを採用した車両において電空協調を行うために考案された制御で、M車の電気ブレーキの動作状況に応じて、M車の空気ブレーキをカットすることを特徴としています。
M車が電気ブレーキ(電制)、T車が空気ブレーキ(空制)によって減速を行おうとした場合、回路を構成する必要がある関係で、空制よりも電制が遅れて立ち上がります。すると、ブレーキ操作の直後に、M車がノーブレーキになる期間が生じ、衝動の原因となってしまいます。そこで、T車・M車ともに一斉に空制を立ち上げ、M車の電制が立ち上がり始めたタイミング(すなわち、電流が流れ始めたタイミング)で、締切電磁弁によってM車の空制をカットします。なお、締切電磁弁が動作中であっても、数十kPaの圧力がブレーキシリンダに送られ、制輪子が完全に離れないようになっています。速度が落ち、M車の電制が失効すると、電流が低下したことをトリガとして、M車の空制が再度立ち上がります。これにより、電制/空制の切り替えの影響を最小化することが可能になります。
締切電磁弁の車両をシミュレートする場合、電流の上昇/下降タイミングと、弁を動作させるタイミング(電流の閾値)が重要になります。