会津鉄道AT-300形(キハ30)の実物車両シミュレータ

かつて会津鉄道で活躍した初代トロッコ車両「AT-301」。芦ノ牧温泉駅に静態保存されているこの車両をシミュレータ化しようという話が持ち上がったのは、2016年のことでした。

AT-301は、元国鉄キハ30形気動車で、2009年まで会津鉄道でトロッコ列車として活躍していました。今回、運転台のハンドルやスイッチ、各種メーター類や表示灯に至るまですべて実物部品を使用してシミュレータを構築します。

運転台の蓋を開けた状態。

マスコンには電気接点があるため、容易に配線を取り出すことができます。

既にある配線は活かし、システム専用のツナギ図を作成します。

一方、ブレーキは完全に空気式であるため、ハンドルの角度を取得するための改造を施します。今回は、ブレーキハンドルに繋がった軸によって可変抵抗を回すアナログ式の方法を採用。ハンドルの角度をPC側に送信可能な構成を取りました。

シミュレータでは、緩め、保ち、抜き取り、重なり、込め、非常の6段階となっていますが、ハード的には無段階にすることも可能です。せっかくの自動ブレーキなので、将来的にはより細かく分けることも検討したいと思っています。

運転台の計器には、速度計と圧力計があります。このうち、圧力計は空気圧で動作する方式のため、電気的に動かせるように改造を施しました。ブルドン管を切断し、ステッピングモータとギアを仕込むことで、二本の針を個別に動かせるようにします。

改造できる人、尊敬します。(他力本願)(会津気動車愛好会の方ありがとうございます)

改造中の圧力計

ベルや警報器などは直流電源で動作するため、USB経由でパソコンから制御するためには改造が必要です。

ATSの警報器や連絡用のブザーなども、実物を流用します。今回、制御基板を介してPCと通信を行い、ベル鳴動などの動作をさせられるように改造を行いました。

そして、肝心のパソコンとのインタフェース部分。

PCとの通信は、専用に設計した制御基板を介して行います。PC側はシリアル通信で、車両側は各部品に即したインタフェースになっています。これにより、シミュレータから所定のプロトコルで電文を送受信すると、実物機器が動作するという構成が得られました。

そして、運転映像用のモニタを前面に設置します。

運転台には、映像を表示するメインモニタと、運転情報を表示するサブモニタを設置しました。サブモニタには、駅名や残り距離、運転状態などが表示されます。

会津鉄道AT-301運転シミュレータは、会津気動車愛好会によって運営されています。本物の気動車によるリアルな運転をぜひお楽しみください。